ネット銀行は印鑑の届出が不要？印鑑が求められた際の対処法とは
銀行口座の開設や取引には印鑑の捺印が求められるイメージをお持ちの方が多いと思います。一般的な銀行では銀行印として印影の届出が必要な場合が多いですが、実は日本では印鑑レスの時代が進みつつあります。
それを象徴しているのがネット銀行です。ネット銀行では一般的に、口座開設時に印鑑の届出が不要です。本記事では、銀行印とは何かというところから、ネット銀行での印鑑の取扱いについて詳しく解説します。
「なぜネット銀行は印鑑の届け出を必要としていないのか」「もし銀行印の捺印を求められたらどうすればよいか」といった情報も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
銀行に届け出る印鑑「銀行印」とは？
銀行印とは、銀行で口座を開設する際などに印影を届け出る印鑑のことです。「銀行取引印」や「銀行届出印」と呼ばれることもあります。
印鑑の届出が必要な理由は、口座からお金を引き出すなどの手続きを行おうとする人が、預金者本人であるかどうかを確かめる必要があるからです。
本人確認の方法として、実印と印鑑証明書を合わせて提示するというものがありますが、お金の出し入れをしようとするたびに印鑑証明書を取得するとなると、かなりの手間がかかります。
そこで役立つのが、口座開設時に銀行印として届け出ておいた印影です。取引をする際に銀行印を持参して、それが印影と一致していれば、本人であることを証明できます。
印鑑の届け出は個人・法人問わず必要で、銀行以外の金融機関である信用金庫や労働金庫、信用組合などでも同様です。
印鑑の捺印が求められるのはどんなとき？
銀行では、印鑑の捺印が以下のようなシーンで求められます。
・口座を開設するとき（届出）
・窓口で預金を引き出すとき
・住所や氏名などの個人情報を変更するとき
銀行印は銀行の窓口以外でも、たとえばクレジットカードの利用料金や家賃、公共料金の引き落とし口座（口座振替）として登録する際にも捺印が求められることがあります。複数の印鑑が手元にある場合は、どの印鑑を銀行印として届け出たかを自身で判別できるように、しっかりと管理しておきましょう。
ネット銀行は印鑑の届出が不要な場合が多い
ネット銀行では印鑑の届出を不要としているところがほとんどです。
なぜなら、ネット銀行は実店舗（窓口）を持っていないため対面での取引は行われず、印影の照合という形で本人確認を行う必要がないからです。
ネット銀行ではすべてのサービスがインターネット上で提供されます。サービスにアクセスする際、ユーザーに正しいログインIDとパスワードを入力させることにより、本人確認を行っているのです。
もし銀行印の捺印を求められたらどうする？
クレジットカードや家賃の引き落とし口座を登録する際に記入する口座振替申込用紙には、銀行印の捺印欄が設けられています。ネット銀行の口座を引き落とし口座として登録したい場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
たとえばGMOあおぞらネット銀行の場合、「口座振替依頼書には、お客さまご自身の任意の印鑑をご捺印ください。当社では印鑑のご登録をいただいておりませんが、収納企業（クレジットカード会社など）によっては口座振替依頼書に印鑑またはサインが必要な場合がございます。」としています。
このように、多くの場合、任意の印鑑を捺印して問題ありません。ただし、「印鑑の届出が不要な銀行をご利用の方は捺印の必要はありません。」などと記載されていることがあり、このような場合は捺印自体が不要です。何らかの印鑑の捺印が求められている場合のみ、任意の印鑑で対応するようにしてください。
ネット銀行の法人口座開設には印鑑が必要な場合がある
ネット銀行では一般的に印鑑の届出が不要ですが、法人口座を開設する場合は例外で、実印の捺印が求められる場合があります。
たとえばGMOあおぞらネット銀行では、法人口座開設に際し、法人代表者と取引責任者が同一でない場合には以下の2点を必要としています。
・法人の実印（代表者登録印）の捺印
・銀行到着時点で発行日から6か月以内の印鑑証明書の原本
個人口座開設とは扱いが異なるので、法人口座を開設する際は事前に必要なものをよく確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、銀行印とは何かというところから、ネット銀行での印鑑の届出について解説しました。
銀行印は、口座開設者（預金者）本人とこれから取引を行おうとする人が一致しているかを確認する手段としての役割を果たしています。
実店舗を持たないネット銀行では、取引がすべてインターネットバンキング上で完結するため、印鑑という物理的なものではなくログインIDやパスワードによる本人確認が主流です。そのため、口座開設時の印鑑の届出は不要な場合が多いです。
ネット銀行の口座で口座振替を依頼する際、収納企業によって対応は異なるものの、多くの場合、任意の印鑑を捺印すれば問題ありません。慌てず対処するようにしましょう。
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