ネット銀行で法人口座の複数開設はできる?メリットや注意点

銀行口座を事業ごとに持つことができればよいのにと思ったことはありませんか?本記事では、「法人口座を複数開設することは可能か」という疑問に対し、3つの代表的なネット銀行(GMOあおぞらネット銀行・ジャパンネット銀行・楽天銀行)を例にあげ、その答えと、それぞれが提供しているサービスの概要を解説していきます。

また、ネット銀行で法人口座を複数開設するメリットや、注意点についても解説します。

複数の事業を展開している、あるいは事業所があちらこちらにある法人の場合、銀行口座は複数開設しておいた方が便利です。ぜひ本記事を参考にしていただき、開設を検討してみてください。

ネット銀行で法人口座を複数開設できる?

多くのネット銀行では法人口座を複数開設することができます。開設可能な口座の数はたいてい合計20口座まで。しかし各行で細かな部分が若干異なります。

以下で、代表的なネット銀行における法人口座の複数開設の概要をご紹介していきます。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行では、法人の一事業所(同一住所)に対して、合計20口座まで法人口座を開設することができます。

追加で開設した法人口座には、「法人名+屋号や事業部名等」を設定することができます。屋号や事業部名のみで申し込むことはできません。

すでにジャパンネット銀行で法人口座を開設している方は、ログイン後「追加法人口座申し込み」から追加口座の開設を申し込めます。

楽天銀行

楽天銀行では、合計20口座まで法人口座を開設できます。法人口座のWeb申し込み時にまとめて申し込むことができるので、スムーズに複数口座を開設できます。

各口座の名義は登記法人名に追加できるので、追加したい名義を入力しておきましょう。空欄で送信した場合は、登記法人名がそのまま名義となります。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行では、代表口座1つにつき20口座まで追加で法人口座を開設することができます。追加で開設した法人口座には「口座名義+任意名」を設定することができるので、管理がしやすいです。

すでにGMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設している方は、Webサイトにログイン後「お客さま情報(申込・設定)」→「口座情報」→「サービス利用状況」から追加口座の開設を申し込めます。

ネット銀行で法人口座を複数開設するメリット

ネット銀行で法人口座を複数開設すると、法人はさまざまなメリットが得られます。経理業務が楽になったり経費削減につながったりと、ビジネスにとってよいことばかりです。以下で、そのメリットを1つずつ確認していきましょう。

目的別に収入・支出を管理できる

ネット銀行に関わらず、口座が複数あると、事業内容や事業所(支店)の場所、事業部門などの目的別に収入・支出を管理することができます。

たとえば、ある法人がコンサルティング事業とECサイト事業を営んでいるとします。各事業から得る売上と運営にかかる経費が全部1つの口座から出入りするよりも、事業ごとに口座が分かれている方がお金を管理しやすいという印象を受けるのではないでしょうか。

法人にとって、各事業がどれだけ収入を得ていてどれだけ支出がかかっているのか、すなわちどの程度の利益が出ているのかを把握することは非常に大切なことです。事業別でお金が出入りする口座が分かれているだけでもかなりすっきりと見えるので、経理業務の簡略化につながります。

手数料が安いので経費を削減できる

ネット銀行は、メガバンクや地方銀行と比較すると手数料が安く設定されています。法人口座を複数開設すると、口座数や取引数が増えれば増えるほど手数料もかさんでくるため、手数料が安いネット銀行を利用するメリットは大いにあるでしょう。

ちなみにネット銀行が手数料を安く設定できる理由は、メガバンクや地方銀行のように実店舗(支店)を構えていないからです。実店舗の運営にかかる賃料や人件費といった経費を削減し、金融取引サービスがインターネット上で完結するようなシステムを作り上げているため、安い手数料でもビジネスが成り立っています。

利用する金融機関を1つに集約できる

メガバンクや地方銀行ですでに法人口座を開設している方も多いと思いますが、多くのメガバンクや地方銀行では、ネット銀行のような法人口座複数開設サービスは提供されていないことがほとんどです。

よって、もしメガバンクや地方銀行にこだわりつつ、法人口座を複数開設したいとなると、利用する金融機関数が次々と増えていくことになってしまいます。これでは、「どの銀行で何を管理していたか」を把握するのが難しくなり、お金の管理をスムーズにするはずが、本末転倒な結果に終わってしまう可能性があります。

法人口座を複数開設できるネット銀行ならそのような悩みを抱えずに済みます。

ネット銀行で法人口座を複数開設するときの注意点

ネット銀行で法人口座を複数開設する際は、注意点についても知っておきましょう。いくら便利なサービスでも、使い方が悪ければメリットを最大限活かすことができません。

口座数が増える分お金の管理が煩雑になる

法人口座を複数開設すると、法人のお金が口座数の分だけ分散されることになります。

もしある事業で経費の支払いが発生したにもかかわらず残高が足りない場合、もう一方の事業の口座からお金を移動するといったことがあるかもしれません。

1つの法人のなかでお金が動いているだけなので大きな問題ではないのですが、このような事象が頻繁に起こってしまうと、事業内容や事業所ごとのお金の流れを見ることができるというメリットはあまり享受できません。要するに、お金の管理が煩雑になってしまうことで、法人口座を複数開設した意味が薄れてしまうのです。

まとめ

多くのネット銀行では、法人口座を複数開設することができます。多くの場合20口座まで開設でき、初回口座開設時にまとめて申し込む場合と、すでに口座開設をしている方も申し込める場合の2パターンがあります。

ネット銀行で法人口座を複数開設すると、メガバンクや地方銀行を利用するよりも手数料の負担を抑えられるだけではなく、各事業のお金の流れを把握しやすくなるなどさまざまなメリットを享受できるのでおすすめです。

あまりにも口座数を増やしたり口座間でお金を移動しすぎたりすると本末転倒になりかねませんが、そちらに注意しながら利用することでこれまでのお金の管理がぐんと楽になるでしょう。

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